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2018年6月

2018年6月30日 (土)

撮影後記

「月との対話」を撮り終えて、思ったことをつらつらと述べたいと思います。

去年の6月にも月とオベリスクが重なる瞬間を撮影しましたが、それ自体がとても感動的であそこに自分も身を置いてみたいと思いました。

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この思いが今回の計画の発端です。勿論それは見かけなのですが、遠く離れて会えないはずの月とオベリスクが出会うという神秘的な場所と時間を共有したいと言う思い、あるいは自身がオベリスクに立ってTUKIに近づきたかったのかもしれません。

この写真を、ブログにアップする前に何人かの人に送りました。そして違う反応が返ってきました。予想以上の「驚きと感動」の反応が一方で在りました。私自身はイメージを膨らませていたのでそれ程ではなかったのですが、初めて写真を見た時のインパクトが大きかったのだと思います。

Photo

言ってしまえば自撮り写真にすぎませんが、それでも写真をアップした後も含めてめったにない「感動」という言葉を頂けて、むしろそのことに感動してしまいました。自分が個人的な思いで撮った写真が人の心を揺り動かしたという事実は貴重な体験でした。きっとこの写真のどこかに普遍的な要素があるのでしょうね。

岩塔の上にチョコンと立っている人間は月の大きさに比べてあまりにも小さく、吹けばどこかに飛んで消えそうなチリの様です。絶えず変化し流れ去ってゆく宇宙の無常な営みの中で、それでもなお人は思いを持ってそこに立っている。そんなところを感じて貰えたのかもしれないと勝手に想像しています。

Img_20180626_011611
午前1時15分 頂上直下待機中のおぼろ月 接触約1時間前。

また一方で、この写真に特に反応が無い人がいることも事実です。日々の生活に追われている人から見れば、いったい何をやっているのだろうと思うのは当然かもしれません。暇がなければ、ここまでのことは中々出来ません。マニアの誉め言葉かもしれませんが、「正真正銘の〇ENTAI」と言われる所為ですね。だから、正直ちょっと恥ずかしくもあります。この記事も写真もすぐに忘れ去られてしまうのでしょうが、もう少しこの写真の価値を確かめてみたいと思っています。

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2018年6月29日 (金)

オベリスク登攀の記

前の記事では書かなかった昼間の山頂での準備(オベリスク登攀部分)の記録です。星とは関係なくクライミングの検索でここに飛んで来られた方にも参考になるかと思います。
 

月の写真を撮る前日のオベリスクです。この時は良く晴れていたのですが・・・。
Img_20180625_152639

昼過ぎ、山小屋に荷物を置いてクライミングに必要な装備だけを担いでオベリスクを目指します。強い日差しで、花崗岩が風化した白砂の照り返しによりわずかの時間でも日焼けしてしまいます。オベリスクの頂上直下10mぐらいまでは簡単な岩登りで行けますが、そこから上はクライミングの領域です。

装備一式 (地元の岩場で練習時の写真です。)
Img_20180607_145413

袋の中身はクライミングシューズと安全ベルトです。

 

今回は一人でしたので、ソロクライミング専用の道具を使いました。
Img_20180607_143936
ソロイストというギヤの習得の為に去年から何度も岩場に足を運びました。
高度感に慣れるために、岩場を変えてフェイスクライミング(のっぺりした壁の登攀)もしました。


これから登るオベリスクの岩場の様子です。
Img_20180625_142413
クラック(割れ目)が7~8mの高さで真っすぐ上に伸びています。人工的なステップも切ってあるので専用のクライミングシューズなら難しくはありませんが、万が一の為にも安全確保は必要です。古いロープが残されていた頃は安易に取り付いて毎年のように事故が在ったようです。写真はすでに登り終わってロープを固定し、夜中でも安全にすぐに登れるようギヤをセットしたのものです。

 

Img_20180625_142351
アンカー1

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アンカー2

少し専門的になりますが、クライマー向けに提供する情報です。クラック用のギヤを2つ(C2、C3)反対方向にセットしてテンションを掛け、墜落を止めるロープの支点にしました。ソロクライミングの為です。ビレイヤーが居れば必要ありません(有れば尚可)。登りながら使用したギヤはフレンズ2番×2、フレンズ2.5番×1。3番も使えますが無理に押し込むと回収が大変です。

登った後、下の取付きを振り返る。

Photo

クライミングの取付きからは10mもない高さですが、落ちたら大変です。もっと下を見ると目が眩みます。鎖は昔使われていたものが途中まで残っていました。写真では鎖を外に放り出してありますが、これがクラックに落ち込んでいる状態でロープを上に引き抜こうとすると、鎖にスタックしてロープが抜けなくなる恐れがあるので気を付けたいところです。

 

オベリスク頂上の様子
Hakenn
双耳峰になっていて、高い方の頂上に立つ時は右下に見えるハーケンで安全を確保します。撮影を終わった後に指で確認してみたら、ハーケンがグラグラと動いたのでちょっと驚きました。衝撃を与えない使い方をしたいです。勿論ハーケン以外にメインロープでも安全は確保しています。

Img_20180625_134944

一見効いていそうだが・・ 。

このハーケンには伝説があって、オベリスクを初登頂したあのウェストンが残したものだと言うのですが果たしてどうでしょうか。

下りる時はクラックに打ち込まれた鉄製のチューブを支点にロープを垂らします。
Img_20180625_133804

錆びていますが一応しっかりしているようです。ただ、今後の風化も考えれば反対側のクラックにも支点用のチューブを新たに設けるか、ヘキセントリック(六角形のギヤ)を支点のバックアップ用にセットした方がより安全です。

 

反対側のクラック
Img_20180625_135928_2



Img_20180625_150311

岩場の取り付き付近から甲府方面を窺う。

Img_20180625_150324

この時、下界の自宅ではカメラをセットした望遠鏡がこちらを向いていて、タイマーが作動しています。果たして晴れるか曇るか、ピントは合っているかボケてしまうか色々心配です。もう賽は投げられました。後はただ作業を淡々とこなすだけです。

この後一旦山小屋に下りて、夜に備えて夕飯をいっぱい頂きました。食事の後寝床に着くと、単独行の登山者同士の楽しそうな話が聞こえてきます。話に加わりたくなりましたが、ぐっと気持ちを抑えました。仮眠してから小屋を抜け出したのは23時20分でした。

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2018年6月27日 (水)

月との対話

今まで山歩き、岩登り、天体写真と趣味の変遷がありましたが、
この写真はその集大成です。

南アルプスの地蔵岳(2764m)山頂にある岩塔「オベリスク」に沈む
月とのツーショットです。岩塔のてっぺんに立って撮りました。

Batch_img_9865
カメラ: Canon EOS 60Da
撮影地:  山梨県北杜市
撮影日時: 2018/06/26 02:25(カメラ設定時刻)
焦点距離: 1100mm
鏡筒:TOA150
シャッター速度: 1/160
ISO感度: 200
Stellaイメージ7、PhotpshopCCにて画像処理。

以下同条件で10秒毎に撮影したものからピックアップしました。


Batch_img_9867
02:26:18

Batch_img_9870
02:26:51

Batch_img_9874
02:27:35

 

トリミング画像
Batch_
月に向かって手を上げて挨拶のポーズです。


カメラを自宅の望遠鏡にセットして、月がオベリスクに掛かる時間帯にタイマーでシャッターを切りました。シャッターを切るタイミングはステラナビゲーター10(天体シュミレーションソフト)で決めましたが、誤差は僅か3分程で済みました。念のため前後30分10秒間隔で撮影しています。

当夜は雲が多く、時間が経つに連れてかなりのおぼろ月になり撮影が危惧されましたが、 幸運にも 撮影直前の5分前に雲が切れて撮影可能なレベルにまで明るくなってくれました。薄雲越しなので露光不足は免れませんでしたが、RAW現像(データーが沢山詰まった特殊な元画像RAWの画像処理)で何とかカバー出来ました。 

天気は運任せでどうにもなりませんが、問題はピントのズレです。撮影時にはカメラの傍にピント合わせをする人はいません。無人です。数日暑い日が続いたので望遠鏡のピントを調整し直し、気温16℃の条件で固定しました。シャッタースピード、感度は出来れば前日の月没時に合わせたかったのですが悪天続きで断念し、去年の
6月に撮った写真と同じにしました。(この過去のデータも実は露光不足でしたが。)

 

今回の日程では山頂まで登り1時間の所にある山小屋(鳳凰小屋)にお世話になりました。昼間に山頂で準備を済ませておき、夜中に再び小屋を抜け出して山頂直下で待機していました。夏なので凍えることもなく、風も岩陰でよけられたので割と過ごしやすかったです。

去年から計画準備を重ねようやく実現出来て嬉しいのですが、今は何か気が抜けてしまいました。なぜなら、この計画が実現するまでに何年も掛かるだろうと思っていましたから。気力が再び戻って来たら、また新たなる目標に向って行きたいと思います。

 

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2018年6月24日 (日)

金星と夏の精霊たち

暑い一日が終わりました。

Img_6699


夜の帳が下りて足元が暗くなると、どこからともなく
夏の精霊たちが現れました。

Img_9678
カメラ: Canon EOS 60Da
撮影地:  山梨県北杜市
撮影日時: 2018/05/22 20:27
焦点距離: 22mm
レンズ:EOS kissX5キットズーム(18-55㎜)
シャッター速度: 11秒 
ISO感度: 800
絞り:F3.5

金星は薄雲で滲んでいましが、青白い光は金星の
明かりに呼応して光っているようでした。


Img_9664


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ホタルです。

46億歳の金星に対して、僅か2週間のはかない命のホタルです。自分たち人類だって気の遠くなるような宇宙の時間に比べたら、一瞬の300万年の歴史しか有りません。ただ、長ければ価値があるのか、短ければ価値がないのかと言うと果たしてどうなんでしょう。

ホタルは夜8時頃が一番活発になるようです。数が少ないと物悲しく、たくさん飛ぶと賑やかな夏の風物詩です。


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2018年6月20日 (水)

チラ見えの火星

6月13日の明け方は雲に覆われていましたが、わずかに火星の明かりが雲の隙間から漏れていました。

03_30_15_lapl4_ap17

カメラ: ZWO ASI224MC
撮影地:  山梨県北杜市
撮影日時: 2018/06/13 03:32
焦点距離: 1650mm エクステンダー×1.5+パワーメイト×2.5
鏡筒:TOA150
赤道儀:EM400

Autostakkert2 スタック処理
Registax6 ウェーブレット処理
Stellaイメージ PhotoshopCC

シンチレーションは悪く、アップ出来るほどものではありませんが、ほかにネタも無いのでとりあえず。

CMOSカメラの撮影条件は以下の通りです。

[ZWO ASI224MC]
Debayer Preview=On
Pan=0
Tilt=0
Output Format=AVI files (*.avi)
Binning=1
Capture Area=1304x976
Colour Space=RAW8
Temperature=28.3
Hardware Binning=Off
High Speed Mode=Off
Turbo USB=80(Auto)
Flip=None
Frame Rate Limit=Maximum
Gain=153
Exposure=0.011001
Timestamp Frames=Off
White Bal (B)=65
White Bal (R)=95
Brightness=155
Gamma=51
Auto Exp Max Gain=350
Auto Exp Max Exp=30
Auto Exp Max Brightness=110
Mono Bin=Off
Subtract Dark=None
Display Brightness=1
Display Contrast=1
Display Gamma=1

cat
Img_20180530_083012

2018年6月 3日 (日)

アンテナ銀河のインスピレーション

みずがき湖ビジターセンターで開催されている「星空写真展2018」では、40点ほどある星空写真が鮮やかな色彩の星雲であったり、力強く渦を巻く銀河であったり、また夜空を駆け巡る圧倒的な光量の天の川だったりと人目を引くものが多いのですが、その中でアンテナ銀河はかなり控えめな印象の写真でした。

Img_20180603_140228

展示を巡って帰りにプレゼント写真を受け取りに来た一人の女性が、不意にアンテナ銀河に心を惹かれたと話しかけて来ました。えっと思って動けず、受付に座ったまま話をしてしまいました。短い会話でしたので、アンテナ銀河のどこに惹かれたのかは詳しく聞けずに終わってしまいました。

 

誰も居なくなってから、どうも気になってアンテナ銀河の写真の前に立ちしばらく眺めていたのですが、少し納得した気持ちになりました。広大な宇宙の片隅で、偶然出会った二つの銀河が互いに惹かれあいダンスを踊って、その軌跡がアンテナの筋となり光の曲線を描いている。そんなふうに見えてきました。

Ngc4038
NASA提供

銀河本体に比べて消えそうなほどに細く淡いので、気が付かずに見過ごしてしまう人も多いのですが、この微かな星の流れにロマンを感じた人たちがいいねシールを貼って行ったのだと気が付きました。あらためて見ると二つの銀河が重なり合いハートの形をしていると思いませんか。

 

Img_20180601_124437
みずがき湖

Img_20180601_124330
湖上に浮かぶ独りぼっちのちぎれ雲

 

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